文科省推進の『木の学校づくり先導事業』。
いま国が木造建築を推す、その背景とは?
いま、全国で木材を活用した学校づくりが進められています。
文部科学省では、建築基準法改正により規制緩和された中規模木造校舎等の整備に対して必要な支援を行う『木の学校づくり先導事業』を2015年度より開始。その背景には、大きく3つの理由があり、木材の良さが見直されたことがあります。1つ目は、軽くて強い、高断熱性、調湿効果などの科学的な理由。2つ目は、木の持つ温もりや風合いなどの情緒的な理由。3つ目は、森と都市の産業循環や地球環境への配慮などの経済的な理由があげられます。戦後、防災・安全上の観点からRC 造への建て替えが進められてきた公共施設。そのものづくりはいま、転換期を迎えようとしています。


2022年1月には神奈川県松田町で木造3階建ての校舎が完成。全国3例目となるこのプロジェクトを手掛けたのが、建築家の杉本洋文氏と類設計室をはじめとする「松田町立松田小学校校舎建設事業 前田建設工業・計画・環境建築・類設計室・関野建設 設計・建設工事共同企業体」です。「松田町とともに育つ、新しい学びの樹」をコンセプトに、新しい学校がまちに根を張り、未来へ伸びる大樹となるように──松田小学校を核にして地域へと活力・学びが広がり、まちの将来をよりよいものにしていく。そんな希望に満ちた木造校舎を創り上げました。
参照:木の学校づくり先導事業(文部科学省)
Special Talk|建築家 杉本洋文× 類設計室
木造学校のスタンダードモデルを目指した本プロジェクトは、どのようにして始まったのか? 木造建築の第一人者である杉本洋文氏と類設計室との対談特集です。

杉本洋文
建築家/
株式会社計画・環境建築代表取締役会長
松田小学校の協働設計者。 40年以上、木造建築の設計を手がけ、木の可能性を発信し続けている。現在は、中央省庁をはじめ多くの団体で木材活用の普及に関わる委員を務めている。

多田 奨
株式会社類設計室
意匠設計部キャップ
松田小学校の企画・設計・監理担当。過渡期にある中大規模木造の校舎を実現すべく、多くの関係者をまとめてきた。現在は、子どもたちに木の可能性を伝える活動も展開している。

黒川 慧
株式会社類設計室
構造設計部統括キャップ
松田小学校の構造設計・監理担当。全国に普及・展開できる木造校舎モデルを実現するため、木材調達の現場に通い、一般に流通している木材で構造計画を検討した。
Pick Up |木造建築の技術追求の裏側
木造3階建ての義務教育学校の校舎としては全国で3例目となる松田小学校。本プロジェクトの実現に至るまでには、多くの課題や制約、そしてそれらの壁を乗り越えるための挑戦がありました。各分野のプロフェッショナルと共に進めてきた技術追求の裏側をお伝えします。
