新建築 2023年1月別冊 類設計室創立50周年記念「本源から未来をつくる」

活力ある社会をつくる。
そのために、わたしたちはまず、本来あるべき姿を描くために、
根源的な問いを繰り返し、試行錯誤を重ねながら
追求します。

ある時は人類史にまで遡り、
またある時は生命原理に立ち返りながら、
地球の課題、人類が直面する課題をも深く掘り下げていく。

もの、ひと、自然の根源にまで遡り、
本質を掴みとることを試みます。
「物事を本源から」追求し続ける。

その先に、未来があると私たちは信じています。

→ 雑誌のご購入はこちら

今、建築プロジェクトを通じて、さまざまな場で、新しい活力が生まれてきています。
個人、地域、自然が一体となった場をつくる。人間本来の活力を新しく設計していく。

新建築の本特集号ではそんな、多くの人と手を携えてつくり上げてきたプロジェクトを、4つのテーマで章立てを行っています。
これらは独立しているわけではなく、絡み合いながら全体像を生み出しています。
それぞれのテーマに応じて、外部の方を交えた対談、類設計室の活動やプロジェクトを通して未来の姿を追求していきます。
ここでは、本特集号の一部を抜粋してご紹介します。

CHAPTER 1|本能×生きる力 人づくり

人は、遊び、学ぶことで、生きる力を強くします。その力を育むことが「人づくり」の出発点だと考えます。遊び、学んだ基盤は本能に刻まれています。

今、SDGsをはじめ、全人類的な課題の解決が急務です。しかし未知なる課題には、模範解答はありません。求められるのは、「既成の概念に囚われず正解のない課題に挑戦する追求力」、「仲間に期待し応えることで活力を高め合う充足力」といった人本来の力です。その土台となるのが、原哺乳類の時代から進化の過程で受け継がれてきた「遊びと真似の本能」です。本章では、徹底した遊び場づくりや異年齢・多世代が学び合う場づくりなどを通じて、子どもたちの本能を解き放つ、活力あふれるプロジェクトを紹介します。

↓ READ MORE(2MB) ↓

CHAPTER 2|情熱×生み出す力 関係づくり

何かを生み出そうとする時、人は集団をつくります。集団同士が協力します。その「関係づくり」で重要なのが、皆を結束させる情熱です。

近年、人びとの意識や市場経済のあり方が大きく変動しています。企業をはじめ生産集団は、変化に適応し、新たな価値を生み出すことが求められています。その最先端では、企業の枠を超えた共創関係が重要になります。開かれた関係を築こうとする時、集団はそのあり方から問い直されます。拠って立つ基盤は、時代や文化を超える情熱にあると考えます。本章では、クライアントと共に社内外の共創を加速する場づくりを追求したプロジェクトを紹介します。

↓ READ MORE(1.9MB) ↓

CHAPTER 3|共同体×繋がる力 地域づくり

「地域づくり」に大切なのは、みんなで地域課題を共有し、解決していくことです。そのために、地域の多くの人が主体的に参加する「共同体」が運営され、みんなの「繋がる力」を育んでいくことが重要です。

明治以来、人びとは豊かさを求めて農村から都市を目指し、地域共同体は衰退しました。暮らしに不可欠な子育て・学び・福祉といった課題は、家庭や地域の手を離れていきました。その一方で、昨今の大災害やコロナ禍などの「生命を直撃する危機」が頻発する中で、皆と繋がり、安心して暮らしたいという意識が高まっています。本章では、そのような新しい集団づくりの潮流を加速させるため、地域の方々と共につくってきた拠点づくり・集団づくりの軌跡を紹介します。

↓ READ MORE(1.8MB) ↓

CHAPTER 4|社会×循環する力 社会づくり

持続可能性は、これからの「社会づくり」において重要なテーマです。自然や歴史に学びながら、身近な「循環する力」を国や地球レベルに広げていく必要があります。それは建築設計の目指す「活力づくり」に通じ、建築という枠に囚われなければ、設計者の仕事は社会そのもののデザインに及びます。

私たちは経済発展によって物的豊かさを手にする一方、都市と農村・生産と消費の分断など、多くの課題を残しています。しかし、地方に目を向ければ、都市にはない美しい風景、生産者の力強さ、自立的で温かいコミュニティに出会うことができます。本章では、都市と農村を「循環」というテーマで繋ぎ、生産ネットワークを再構築する活動を紹介します。

↓ READ MORE(3.1MB) ↓

雑誌のご購入はこちら →

READ MORE