公園のなかに生まれた新しい散歩型図書館「荒川区立尾久図書館」がオープン
2021年2月20日、弊社が設計・監理を担当した新しい荒川区立尾久図書館がオープンしました。隅田川につながる大きな公園に立つ新たな尾久図書館は、読書を通じた新しい地域の文化活動拠点です。
公園に訪れた人を図書館へ引き込み、通り抜けのできる“本のみち”を中心に、全世代の居場所となるキューブ上の“ひろば”を散りばめた「散歩型図書館」として、新たな本や知との出会いの場となっています。
世代ごとの活動が連なるキューブは角度を変えて配置することで日射・視線制御に配慮しています。さらに尾久地域の歴史的資源である煉瓦壁、四季の変化を連想させる色彩など、多彩な表情が公園にあふれだすデザインです。
内部は、床輻射式空調システムや遮熱・断熱ガラス等を導入して快適性を高め、傾斜屋根の高窓や木製ルーバーによって明るく、木のぬくもりを感じる空間を実現しました。
設計段階では「共創スタジオ(ワークショップ)」を開催し、区の関係者・図書館職員・地元中学生・ボランティアの方々と追求し、設計に反映してきました。
オープン後は、前面の公園に響く子どもたちの賑わう声と、館内のほどよいざわめきが調和する心地の良い居場所となっています。今後も地域の方々と職員の皆さまで育てていく「新しい地域館のモデル」となることを期待しています。
【施設概要】
(1)施設名:荒川区立 尾久図書館
(2)所在地:東京都荒川区
(3)構造:鉄骨造、一部SRC造、地上2階建て
(4)建築面積:1,088.06㎡(延べ面積2,106.13㎡)
(5)開設日:2021年2月
(6)座席数:約300席、蔵書規模:約12万冊
【施設の様子】
(1) 尾久地域の歴史的資源である煉瓦壁を取り入れたデザイン
(2)新しい出会いを生む「本のみち」(1階)
(3)趣味の雑誌や大人向け絵本など、多世代が交流できるエリア「多世代ステージ」
(4)施設全体に視線が抜けるように配慮された放射状の書架配置(2階)