2020年10月27日

「建設通信新聞」に副社長のインタビューが掲載されました

建設通信新聞(2020年10月27日1面)に、弊社副社長・阿部紘のインタビューが掲載されました。

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連載・混迷の先へ・建築設計事務所◆10◆類設計室/阿部紘 副社長

【鍛えた追求力で生き抜く/期待に志で応え、市場に新風】

2022年に創立50周年の節目を迎える類設計室。17年9月からスタートした5カ年計画は4年目に入る。新型コロナウイルスが蔓延し社会は大混乱期にあるが、類設計室の阿部紘副社長は「長い間ひいきにしてくれる顧客が多く、おかげで来年あたりまでの受注は確保できている。問題は、その後の建設投資が官民ともどうなるか。まだ見通しは立てにくい」と話す。

「創業期から、社会が大きな転換期を迎えていると考え、その変化の本質を見極めようと『追求力』を鍛えてきた。いまをチャンスと捉え、コロナ後の世界を生き抜いていきたい」と意気込みを語る。

新型コロナの影響については「終息に数年を要するだろう」とみているが、「これまでの常識や方法が通用しがたいため、大きな転換が必須で、社会が変わるきっかけとみなしたい」と前向きに捉える。「大量生産と大量消費、そして自然破壊が激しくなり始めた1970年代以来の既成概念を捨て去り、パラダイムの転換に対応していく」と語気を強める。

類設計室はこれまで、教育施設や生産施設、研究所などを多く手掛けてきている。「そこで働く人々がいかに人間力を解放し、活力を再創造できるかを考えながら顧客とともに設計してきた。コロナ禍によって環境に対する関心はより強くなった。以前から自然エネルギー・自然素材の可能性を追求してきたが、人工物質を排除した建築がつくれるか、総力を挙げて取り組んでいる」と明かす。

「コロナ禍は、これまで社会が認識していながら目を背けてきた問題を露呈させた。工場がストップし、空は本来の青さを取り戻した。突きつけられた諸課題を克服して、生活の基礎保障が実現されると、人々の本源性を解き放つ新しい時代が到来する」と見通す。

危機的状況の中でもその本質を捉え、実現の方針を示す「追求力」を最大の強みとしてきた類設計室。人材の育成においても「既成概念を打ち破り、心と頭を解きほぐしていくことが大事であり、希望する学生を対象に開くインターンシップは若手社員と1週間寝食をともにし、磨けば光る人材を見極めている」。設計事業部門の現在の技術者数は200余人。「50周年までに250人程度まで増やし、組織力を高めていきたい」と話す。

これから必要とされるのは「殖産一体の社会」という。「皆が生活する場と子どもたちが学ぶ場と厳しい生産の場が1つになったまちづくりが21世紀の課題だ。積極的に行政庁にも企業にも提案していきたい」とする。

「これまで50年弱、共同体企業として、自分たちの生きる場は自分たちの力でつくり上げてきた。何があっても生き抜いていく企業力をつくり上げてきた。風当たりが厳しい時も克服して、共同体企業の営みが社会に貢献できる時代がやってきた。顧客の期待に志で応え、どこまでも信頼に応えていくのが設計事務所の姿。老舗事務所の市場に新風を送る心意気で、これからも新たな提案で発展していきたい」

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