2018年7月26日
まちと共に歩む復興再建事業と先端研究の空間づくり 「東京大学 国際沿岸海洋研究センター」が再建
東京大学施設部及び類設計室が設計した「東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター」が竣工し、7/20に再建を祝う記念式典を迎えました(供用開始は2018年4月)。
岩手県大槌町赤浜地区は、東日本大震災の津波により壊滅的な被害を受けた地域であり、大槌湾沿いに建っていた既存施設も3階の一部まで津波が押し寄せました。その後、大槌町が主導する町の復興計画と歩調を合わせる形で、住宅地の中心部の高台へと当センターを再建することが決定しました。
町の復興と未来へ向けて歩む施設であることから、コンセプトを「共再生」と定め、地域の再生と先端の研究空間づくりを設計の目標としました。
建物の一部をセットバックや分節化させることで、地域への景観に配慮した外観とし、また、震災の経験から自然採光や通風を最大限取り入れたエコロジカルな施設を目指しました。そして、窓やバルコニーからは壮大なオーシャンビューが望める、日本でも珍しい大学研究施設となっています。
震災から7年が経過し、東京大学の関係者や地域の住民が切望していた大学研究施設がようやく完成に至りました。津波の記憶を風化させず、海と共に生きる研究施設として今後の発展を願っています。