– 主な業務経歴 –
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2019年
農園事業部の栽培担当として、三重農園に配属。
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2020年
三重の経営課題・栽培体制管理担当、有機JAS米栽培担当を務める。また、長期援農(人材育成として他事業部の社員が農作業を担う)・類学舎合宿の受け入れを開始し、指導役として活躍。
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2021年
さまざまな栽培方法を追求し、有機JAS米の単収の増加を実現。特別栽培米の栽培も兼任。
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2022年 ~現在
特別栽培米収量の増加を実現。より美味しい米の栽培方法を追求し続けている。
有機農業の実現に向けて、さまざまな角度から試行錯誤をし続ける三上さんの魅力をご紹介します。
―農園事業部の栽培のこだわりは?
おいしい、そして安全な有機農業で人も自然も守る。
農園事業部(類農園)の栽培の特徴は、自然のあるがままの形を壊さないような有機農業をしているということです。
例えば、奈良農場では、『米ぬかや醤油かすを使った植物由来の自家製のぼかし肥料の使用』、『微生物の働きを活かした土壌づくり』、三重農場では、『微生物を使って土の団粒構造を作り出す仕組み』、『水の流れを駆使した米の栽培』など、“おいしい・安全な作物”を作ることはもちろん、農業生産による環境への負荷を出来る限り低減し、環境や多様性に富む生き物との調和を大切にする農業を行なっています。
作物・環境・人にとって本当に良い農業の在り方を模索しながら、とことん美味しさにこだわっているので、ぜひ多くの方に類農園の農作物を食べて、感動していただきたいです。
―一筋縄ではいかない農業に対して、どうアプローチしていますか?
同じ志を持つ仲間に頼りながら、試行錯誤し続ける。
知識が全く無い中で農家を始めてみて感じたのは、農業は“スピードと段取りが命”ということ。毎分毎秒、状況が移り変わる自然の中で、農作物の状態を的確に見極めて即座に対応しなければ、収量・食味に関わり、最悪病気になってしまいます。
そのため、他の農業生産者の方にお話を聞きに行って技術を学んだり、育成状況を見てもらってアドバイスをいただいたり、さまざまな方から学ぶ機会を積極的につくっています。知識や経験を共有していただくことで、ベストなタイミングで必要なことができるのはもちろん、「有機農業を実現する」という同じ志を持つ仲間がいる安心感は何物にも代えられません。

そして、学んだことを活かして試行錯誤し続けることで、どんどん農作物への見方が変わっていき、少しの変化でも感じ取れるようになりました。
―企業で農業をする面白さは?
農業を通じて、多岐にわたる思考を広げることができる。
2020年に教育事業部の生徒たちが2泊3日で農業合宿をする企画の立ち上げに関わりました。
最初は、生徒たちに対してどこまでは指示して、どこからは自分たちで考えてもらうのかを迷いましたが、最終的には「成果を上げるためにどれだけ本気で課題に向き合えるか」のみで、大人だから子どもだからという線引きが思考を狭くしていたことに気づきました。
それから、人間性の育成や活力・成果を上げるために、農作業だけでなく段取りの立て方、課題共認のやり方、仲間と連携して成果を出すための動きのシミュレーションなど、多岐にわたる思考を広げて、生徒に接するようになりました。みんなの力を最大限に活かすにはどうすれば良いのか、仲間と一体になりながら思考を重ねていく過程がとても面白いんです。
そして、生徒たちが仲間と協力しながら農業の課題に立ち向かい、素晴らしい人間性が育まれていく姿を見ると“自分ももっと農業に向き合っていきたい”と強く思うようになりました。
合宿企画は年1〜2回の開催でしたが、農業という生産課題に向き合った子どもたちの変化の目覚ましさから、2021年から毎週開催する『農業研修プログラム』へと進化し、参加する対象も広がっています。
農作物を作るだけでなく、人材育成など広い視野で課題に取り組めるのが類設計室で農業をする醍醐味だと思います。