【子育て通信】「そんな大事なこと、学校じゃ教えてくれなかったもん…」
2020.12.2
「学校に行けば、勉強だけでなく、集団性も育まれる」
「学校なら、集団生活の経験にもなり、関係能力が身に付いていくはず」
そんな期待もあって、学校に子供たちを毎日送り出している保護者の方も多いと思います。
しかし、子供たちは学校で、本当に必要な力を身に付けられているのでしょうか?
子供たちの素直な言葉から、はっとさせられることがありました。
類子屋・幼小科の人気メニューの一つ、「遊び回」。
生き抜く力を身に付けるために不可欠な仲間との外遊び。子供は遊びを通じて、仲間と付き合う関係力や追求力や見通し力など、生きていく上で必要なすべての力を形成していくため、幼小科のメニューにも組み込まれています。
ある日の類子屋での遊び回の終盤での出来事。
小学1年生の2人が、「この遊びのルールわからん!!おもんないからもうやらん!」と言い、途中でその場からいなくなってしまう事態になってしまいました。
教室にいる他の生徒たちも困惑し、「この遊びなら楽しいかもよ~」といろいろな提案をし、その場を持ち直そうとしてくれていましたが、一向に戻る気配がなく終了してしまいました。
外遊び終了後、2人と話す時間をとりました。
「だって楽しくないんだもん。」
「ルール教えてって言っても無視するもん。(実際は言っていない)」
「だって…だって…」と言い訳し放題。
そんな2人に、
「2人がいなくなった後のみんなの表情とか気持ちは考えた?すごく悲しい顔していたよ」
「2人は自分のことしか考えてなかったと思うけど、他の子は2人とも大丈夫かな?ってずっと心配していたよ」
と伝えると、だんだんと、「自分たちの行動がみんなの気持ちを蔑ろにしてしまってたかも…」という表情へと変化していくのを感じました。
さらに、
「わざと悲しませたいわけじゃなかったんだよね?でも結果的にそうさせてしまってるよ。自分のことばっかりじゃなくて、相手のことを考えるって大事な事なんだよ」
と伝えると
「うん…確かに大事。わかった」
と、言ってくれました。
そしてその後、ごめんなさい、みんなに悪いことをしてしまった、という気持ちを抱え、半泣きになりながら大声で伝えてくれた一言。
「そんな大事なこと、学校じゃ教えてもらえなかったもん!!」
おそらく学校でも、「友達と仲良くしましょう。相手の気持ちを考えましょう」とは言われていると思います。
でも、学校では、その言葉と行動が実感と伴っていないのだと思います。
喧嘩になったとしても、先生が介入し無理矢理解決させようとしたり、現実に起こっていることに目を向けず、時には規則や校則を持ち出し、上から押さえつけるだけ。
そもそも学校は、集団課題がなく、自分第一になってしまう空間。
本当に相手の気持ちを汲み取らなくても過ごせてしまうので、言葉と子供たちの実感と繋がることがなかったのでしょう。
本来、子供たちは仲間との外遊びの中で、「どうやったらもっとみんなと楽しめるか?」と工夫したり試行錯誤する中で追求力を培い、上の子たちから(時には下の子たちから)学びながら、時には何か問題が起こったときに、「どうする?」と考え、それでもうまくいかず悔しくて泣いたり、傷ついたりしながらも、気持ちが通じ合ったときの喜びや楽しさを体感しながら関係力や人間性を育んでいます。
子供たちにとっての『本当に大事なこと』を学べるのは、学校の中ではなく、仲間との外遊びの中。
子供たちをそんな環境へ送り出してあげてください。