生産者まるごとブランディング② 成果と活力上昇事例を紹介♪

2022.5.27

今日は、生産者丸ごとブランディング①に続きその成果と事例をご紹介します。

 

◯現在80歳のGさん(5年前から類農園直売所への出荷開始)

75歳までは市場出荷場メインで、栽培方法は農薬と化学肥料を基準通り使う『慣行栽培』でした。

しかし、直売所のスタッフから「おいしい」「また食べたい」と言ってもらえることが嬉しくて、だんだんと作り方や作付け計画が変わってきたのです。

栽培方法は減農薬(基準の半分以下)で、有機肥料を主体とした栽培方法に変わり、その結果さらに味も良くなり、リピータが続出し、価格も常に高い値段で売れるようになりました。

直売所スタッフやお客さんから「Gさんの葉玉ねぎが美味しい」といった声に応える形で、だんだん作付け品目も増え、1年間どの季節にもお客さんになんらか野菜を提供できる体系に変わりました。その結果、売上げも安定する様になったと思います。

75歳からそれまでの栽培方法を転換できたってすごいことだと思うのですが、それくらい活力が上がったのです。

 

◯「おやつトマト」という高糖度のトマトを栽培しているOさん(8年前から類農園に出荷)

10年前に新規就農した生産者で「人と人の繋がりをつくるツールとして農業は可能性がある」「たくさんの人が関わる、人件費率の高いトマトづくりと販売がしたい」という思いを持っていました。

そのため、品質は高いのですが、価格も非常に高く設定しており、なかなか売り先が見つかりませんでした。

類農園直売所でも、販売開始当初(8年前)は、290円でしか売れませんでしたが、今では498円まで売価を上げることができました。

そのためにやってきたのは、Oさんのやりたい「人件費率の高い農業」という志や、そのためにOさんが主催した地域イベントの活動などを、商品と一緒に発信することです。

特に面白かったのは、農家仲間の果物を使ったかき氷事業。類農園直売所のパートさんたちとOさんが一緒に生シロップを開発し、店頭で販売を行ったりもしました。

このように、商品だけでなく、Oさんが目指す志と活動も一緒に発信することで、Oさんのファンを作ることで、単価アップを実現しました。

販路があったからこそ、新規就農で経営が厳しい時期も「また作ろう」という活力がでてきたと言います。

 

こうした事例は他にもたくさんあります。

 

類農園ではさらに循環を促す仕組みとして、直売所で「つながるカード」を作り、お客様から生産者へ、直接メッセージを届けられる仕組みも作っています。

毎月50枚ほどのメッセージが届き、生産者に郵送でお届けしています。

お客様や販売スタッフと直接つながれること、喜んでもらえることは、生産者の「良いものを作ろう」という意識を上げ、それが農業を続ける活力源になるということをなまなましく感じています。

そして、そうやって活力の高い生産者と一緒に仕事をできること自体が、私自身の活力源になっています。

「地域活性」というのは、こんなふうに、そこに住んで、生業をしている人自身が、活力高く、楽しく生きていることそのものだと思うのですが、その一端をお手伝いできる事業をしていきたいと常々思っています。

ここまでは、個々の生産者の活力上昇の事例でしたが、もう一段、生産者の活力が上昇し、「地域課題に主体的に取り組むようになった事例」というのがあるのですが、長くなったので、また今度ご紹介します。