学校づくりは地域の活力づくり!地域とともに新たなシンボルをつくる

2022.3.7

皆さんにとって学校とはどんな場所ですか?

 

そんなの子供達が先生から勉強を習う場所でしょ?と思われるかもしれませんが、いまや学校は子どもたちだけの場ではなく、地域の人をつなぎ、次なる担い手を育てる場所となっているのです。
今回は、学校づくりを通じて、まちの活性化を実現させた京都京北小中学校を紹介していきます。

 

舞台となっている京都京北小中学校と類設計室の対談は、弊社の本源追求第5刊(3月20日発刊予定)にて余すことなくお伝えしますので、ご興味のある方は、お問い合わせください。

 

■京北のシンボルとなり、社会を切り拓く子供を育む学び舎
林業のまち、京北地域はかつて6つの地区ごとに小学校が構成されていましたが、少子化により、児童数が減少。平成11年に複式学級を解消するため3つの学校に統合され、平成28年に新たな小中一貫校計画が始まりました。

 

218㎢の校区、約80%の児童・生徒がスクールバスになるため、反対の声も少なくありませんでした。しかし、地域の活力を高めるためにも、新たなまちのシンボルをつくりたいという強い思いを受け、「未来を担い、地域に誇りを持ち、社会を切り拓く子供を育む学び舎」をテーマに設計をスタートしました。

 

■新たな学校のシンボル『メディアセンター』
訪れて驚いたことが、この地域で育つ子はしっかりと挨拶ができて、とても感受性が豊かだということ。京都では「番組小学校(明治 2年、学生発布に先立ち町衆によって設立された学区制小学校)」の文化から、地域の子どもは地域で育てるという伝統があり、自然豊かな地域も生かして健全な子ども達を育てているのです。

 

そこで、私たちは、この文化をさらに発展させていくために子どもたち、地域のつながりを活性化させる場をつくりたいと考えました。そして、実現したのが学校の中心に配置したメディアセンター(図書室)です。6本の樹上木柱で大きな屋根を支える構成とし、6つの地域がひとつになる学校のシンボルにしたいという思いを込めて設計しました

 

■地域のつながりと、次なる担い手づくりの場
学校の中心に配置したメディアセンターは、休み時間になると1年生から9年生が集まる空間となりました。友達と一緒に読んだり、1人で集中したり、いつも子どもたちで賑わう空間です。自然と異学年交流も生まれています。

 

休日は、地域に開放され、就学前の児童を持つママさんたちが悩みを共有するサロンや、林業のまちという特性にあった環境学習も開催しています。

 

授業では京北ふるさと未来科が開設され、京北で働く方が、リアルな学びを提供します。こうして「もっとこのまちを知りたい」「このまち活性化したい」と愛着を深める場となりました。

 

学校はこうした地域の思い、期待が詰まった大切な空間です。そして、子どもたちがのびのびと健全に過ごせる、自然素材に包まれた学び舎をつくることが私たちの務めだと感じています。
類設計室では、これからも学校設計を通じて、地域の活力づくりに貢献できる建物を地域の方々とともにつくっていきたいと思います。