子どもたちの五感を育む木造校舎が完成します!

2022.1.31

類設計室の季刊誌「本源追求」3月中旬頃発刊予定の第5刊では、「木造・自然素材の可能性(仮)」をテーマに制作中です。
神奈川県足柄上群松田町で現在建設中の、純木造校舎の松田町立松田小学校の取組みも掲載される予定です。

対談を行った設計者の一人として、わたしがこの木造校舎に込めた想いを紹介したいと思います。

木造と聞いてみなさんはどのようなイメージを持つのでしょうか?

住宅であれば木造も当たり前と思いますが、学校のような大規模の建築になると地震や火事に弱くない?と不安を持つ方もいるかもしれませんが、実際にはそのような心配はいりません。それどころか木造校舎には多くの良いところがあります。

 

・五感に優しい心地よさ/室内環境の快適さ/学びの意欲を高める力

手触りや視覚を通しての温かみや、心の落ち着く香りといった五感に直接働き掛ける効果だけでなく、実際に室内の温湿度環境の最適化や、ウイルス感染の防止といった効果があります。

こういった生きた教材を通して子どもたちの集中力も高めたり、学びへの意欲・好奇心も高めてくれます。

 

 

  • このプロジェクトで実現したかったこと

木の学校をつくるということから「学びの樹」をコンセプトにチームで一体となってプロジェクトを推進してきました。

①松田町と共に育てる学校づくり

②多世代が学び合う場づくり

③木造学校のお手本づくり

の三本柱。松田町としても、町のほとんどが森林であること、町の産業を再生したい想いがあったこともあり、このコンセプトは町の期待に応えられるとても良いプロジェクトになりました。

 

 

  • 自分と地球の環境がつながっていることを知ってほしい

特に子どものときはもっと身体で感じ、考え、学ぶことを大事にしてもらいたいと思います。よく個人の発想とか言われますが、実際はどのような物事においても考えるためのヒントや答えは自分の外にあります。

 

そういった考え方は机で勉強していれば身に付くものでもなくて、身体で考えることを経験することで、テストのように答えのある問題ではなく、未明課題にも答えが出せる本当の追求力が育まれます。均質な空間では、子どもの五感は育ちません。身体で感じる機会が増えることで五感は育っていきます。

 

木はそれぞれに表情があります。そんな違いのあるものを見て刺激を受けます。松田小で真ん中につくった全学年をつなぐ場ではみんなの声も全階に届くと思います。静かに勉強というのは昔の価値観です。今回の学びの場は多くのものを感じられる学び舎になったと思います。

 

  • 自らの学び舎を自らで作って木を感じる

松田小学校のプロジェクトでは、子どもを巻き込んだ企画を多く開催しました。昇降口の壁を町の木で作ってもらったり、現場を見学してもらったのも、身体で考えることを体感してほしかったからです。またそこには、自分たちの手で自分たちの学校をつくり、愛着を持って新校舎を大切に使う心を育ててほしいという想いを込めました。

「自分たちの町の木で学校をつくる」木育ワークショップを開催

子どもたちがこの校舎で未来の社会で活躍できる人材に成長していってくれる姿が見れることがとても楽しみです。

またこのプロジェクトをきっかけに今後も子どもだけでなく、大人たちの活力も高めていけるように木造建築をより普及させていきたいと思います。