地方創生など謳われる前から農村を元気に!就農定住事業「かみなか農楽舎」(福井県若狭町)

2021.11.1

20年以上前から、後継者不足、耕作放棄地という農村の切実な課題に取り組んできたのが、福井県若狭町のかみなか農楽舎です。これまでに49人が卒業し、26人が地元に定住、その家族も含めると74人の新たな町の担い手が生まれました。

今回、この就農定住事業に関わってきた若狭町元町長・森下さん、かみなか農楽舎社員・八代さん、㈱類設計室・前上で、これまでを振り返る対談が行われましたので、レポートします!

 

成功の秘訣は、役場×地元集落×類設計室の三者の協働

「当時、一次産業が3Kと呼ばれ敬遠されていた。まわりからも、今どき農業にお金をかけて意味あるのか?本当に若者が農業なんかするんか?と言われていました。でも、相談に乗ってくれた類設計室から「これからの可能性は、担い手を育成し、集落を活性化する事業」と直球の提案をもらい、行政企業がつながりました。そこに地元の集落から責任者となる人が手を挙げてくれ、この三者がつながったことが「かみなか農楽舎」を実現できた大きな基盤となりました。」と森下さんは振り返ります。

 

「就農定住」が目指すのは、単なる就農ではなく、集落の活性化

「観光農園のように交流人口を増やす事業が一般的でしたが、それでは将来の農業、そしてまちを担う人材は育たないと考え、就農定住事業を提案しました。当時から農業や田舎暮らしに憧れて農村に移住しても、地域になじめず上手くいかない事例も多くありました。単なる就農や田舎暮らしでは孤立する、大切なのは共同生活をベースにして、集落を巻き込むことと考えました。」と企画を担当した類設計室・前上は話します。

 

農楽舎の卒業生の活躍を見て、地元出身の若者が家業の農業を継いだり、「昔はひとりも若い人が歩いていなかった。今では若い人に会える。地域がまるっと変わった。」というお年寄りの声も。刺激を受けた地元のおばさんたちが共同で農家レストランを始めるなど、新しい動きが生まれました。

 

自治体の最重要施策は「人づくり」

「これからは、ここでやってきたことを外にも広げていきたい。就農定住事業をやるには、自治体のトップが「やる」と決めることが必須の条件。今はどこも行財政の改革ばかりで、最も重要な「人づくり」ができていない。類設計室と一緒に、かみなか農楽舎のモデルを他自治体に広めて地域を元気にできればいいね。」と森下さんが町長退任後の展望をこう語られました。

 

日本の将来、そして地方の未来のための最重要課題は、担い手育成。
そのひとつのモデルである就農定住事業をアレンジすれば全国の農山漁村で展開可能です。

自らも農業に携わっている類グループとして、この事業を拡げ、社会を少しでも元気にしていきます!