生体リズム(適応能)を育む環境づくりへの挑戦

2021.9.13

暑い夏も終盤に差し掛かりますが、みなさんの生活リズムはいかがでしょうか。
夜にベットに入ってもスマホが手放せず、つい夜更かし、朝起きるのが苦手な人も多いのではないでしょうか。

 

我々の身体の生体リズム、すなわち季節の変化に適応する“適応能(変化に対して身体の状態を保つ力)”。この適応能の基礎がつくられるのが、子どもの時です。

その子どもたちの心と身体が大きく成長する場:保育園や学校の設計を手掛けるにあたり、その適応能の追求から取り組んでいます。(学校・大学では教わらないですよね。でも、人の環境をつくる上で、核心部分だと思いませんか?)

 

今回はその中から、光と人類の身体の生体リズム(適応能)の追求をご紹介します。

 

 

 

◇人類史から見る光
“適応能”という身体機能は、進化の過程で得たもの。人類史を500万年とすると、人工照明が普及した時期は20世紀中盤、まだ100年ちょっと。人類と光の関係を紐解くと、われわれの生体リズム(適応能)は、太陽光と共に進化してきました。

 

◇太陽光によって、覚醒と睡眠リズムが整う
生体リズム(適応能)は本来、太陽光によって覚醒と睡眠リズムが整うように出来ています。
・朝日を浴びて、身体の起床スイッチが入る。
・10~12時ごろ、代謝が高くなり、血圧・体温も高くなり、覚醒状態が保たれる。
・夕食後くらいに身体が入眠準備に入る。身体の放熱が始まり、メラトニン分泌され始める。
・身体の深部の体温が下がると、1~2時間の間に自然な眠気が表れる。
(寒い雪山で眠気が襲う、逆に暑苦しくて眠れない、というのは実感できますよね?)

そのため、夜にも明るい光を浴びると、”余分な緊張状態”となり、身体が入眠準備に入りにくい。太陽光を浴びていないと、体の起床スイッチが中々入らず、昼間もダルさに襲われるというわけです。
近100年の生活環境の変化は、人類史から考えると”激変”したともいえますね。

 

 

◇適応能を育む環境:右脳発の設計へ
そうした適応能を切り口に、活力を育む学びの環境づくりに挑戦しています。

 

〇校舎の中にいても、太陽の自然の光が感じられる工夫
太陽光を浴びることが、生体リズム(適応能)を整えるのに、一番理想です。そのため、校舎の中でも太陽光の移ろいが感じられる工夫:光庭やハイサイドライトをふんだんに計画しています。

 

〇こどもたちの活動時間に合わせた、内装と照明での明るさ・色味
子どもたちの活動時間に合わせて、インテリア素材と照明による明るさ・色味を計画しています。元気に勉強したい教室は、明るい内装色と昼白色。放課後の利用がメインとなる室は、やや落ち着いた内装色と温白色で、生体リズムを育む空間づくりをしています。

 

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今回は「光」を切り口に紹介しましたが、適応能は、四季の変化⇒温熱環境への適応力や免疫力など、追求の切り口が無限にあるので、今後もご紹介していきます。