構造認識で建築需要を読む!ー3

2021.5.24

構造認識で建築需要を読む!ー2では、「市場分析にしろ何にしろ、追求は勝つ見通しをつかみ、実践するためにある」ことをベースにデータを見ていきました。

建築市場の動向を今後の行動・実践に活かすには、将来予測が必要です。前回までの過去の分析から、建築需要=着工床の未来を予測します。

 

非住宅の着工量は現状が底

前回、基礎需要としての水準にはまだ15%の下落余地があることが分かりました。つまり、建築床はこのままいけば余ってきて、着工床はどんどん減少することになります。コロナ禍を踏まえ、大胆に予測します。

本年度以降の着工床は、直近ではコロナ禍の影響を反映して大幅に下落します。

過去の下落幅を参考にすれば、リーマン(‛07→‛09)の際は着工床▼28.3%(GDP▼5.9%)。

‛20年は既に前年比▼10.8%(GDP▼4.8%)。‛19→‛21は▼20~30%の可能性があります。

今後の非住宅の着工量は、直近はコロナショックで2~3割減。その後、先送りしていた需要が戻り、一旦は2019年水準程度までリバウンドし、同水準を最大として推移すると考えます。それでもストックは10年ほどで人口当たり18㎡まで下がり、その水準で推移することになります。つまり、このままだと、現状が底。じり貧。

そこで新たな需要を発掘する戦略が必要になります。

一方で、大規模なストックがあるという状況も存在し、改修に対する期待も高まっています。

 

 

◆改修需要はピークで新築の5割

 

【改修需要グラフ】

建築は概ね30年で大規模改修(内装・設備の全面改修)が発生します。

着工がピークだった‛90年から‛20年でちょうど30年。大規模改修需要はいまがピークで7500万㎡あり、今後20年間で3分の1(2400万㎡)まで減り、その後は同水準で推移すると予想されます。

 

大規模改修の設計需要≒工事量は新築の何割ぐらいに及ぶのか。

改修工事は構造躯体までは及ばないため、工事費(単価)は新築の3分の2にとどまります。

改修面積については確認申請が不要な全体の半分とすると、両方で新築の1/3相当(2/3×1/2=1/3)。

‘20年の場合、改修需要7500万㎡の1/3の2500万㎡が新築換算の工事量≒設計量となります。これは新築着工床5400万㎡の半分程度に及びます。

さらに今後も建築の長寿命化が進むため、改修は増え、新築は減ります。

 

 

今後の需要は供給発での発掘が重要

非住宅の着工量は下落し、今後も拡大は望めない状況です。しかし、社会の大転換を見据えれば、学校では新教育、企業では業態改革への潜在的な期待があります。それは、潜在的な期待を喚起する「供給発」の発想があってはじめて顕在化します。

この分析結果を踏まえ、類設計室では2021年度に大幅な体制改革を実行しました。企画室と営繕室の拡充です。今回の分析から、新築にしろ、改修にしろ、新しい需要を喚起する供給発の生涯コンサルが今後の勝筋であると結論づけたのです。

 

社会は本源収束から、共同体志向が高まっていきます。

類設計室では実績の強みを活かし、子供達を解放する学校や生活空間、共同生活を送る寮、地域の人材育成や追求の場となる社会教育施設など、潜在的な供給期待に応えていきます。

 

企業の共同体化は職住近接を志向し、コロナ禍もあいまって、郊外・地方への移転が増え、同時に、地域に根を下ろすことで、子育てや学び(企業がつくる学校)への期待も高まるでしょう。地域の大学は、新産業創出に向けた人材育成と追求の場を作っていくところが活性化していくはずです。

 

今回は以上です。次は、新たな需要が顕在化してきている動向をふまえ、営業対象の具体像を追求していきます。