企業が学校をつくり、若者を救い、さらには日本を救う!

2021.3.22

私どもが本社の設計を担当した企業様より、「学校をつくりたい」という相談をいただきました。

その企業様では、技術者の募集に苦労しており、また、業界全体でも技術者の高齢化が進んでおり、このままでは、自社だけでなく、業界全体が危ういという、強い「危機感」がありました。

「技術者の育成をどうする?」からスタートした議論は、早々に、ある根本的な問題にたどり着いてしまいました。

 

それは、今の若者たちの「意欲の低さ」です。

せっかく入社しても、意欲が上がらない、言われた事しかできない、成長できない、数年で辞めてしまう、など。技術者の育成以前に、ここをどうにかしなければならない。

様々原因を追求するなかで見えてきたのは、すべての元凶は既存の学校制度にあるという事でした。

 

現在、多くの学校は、現実社会と隔絶された環境のなかで、社会で役に立つとはとうてい思えない教科書の中身を、試験や受験のためだけに、ひたすら覚える事を強要されます。そんな既存の学校制度が、若者たちの「意欲」や「主体性」をことごとく潰している

小学校、中学校、高校、さらには大学、16年間も無圧力状態に置かれて、社会に出てからいきなり「意欲を持て」「追求しろ」といっても不可能。むしろ、役に立たないどころか、企業の大きな足かせにしかならない。

 

どうするか?と考える中でみえてきたのは、改めて自分たち企業が学校をつくる可能性でした。

現実社会の中で、人々の期待に応える課題に本気で応えていく企業にこそ、本物の教育機能が備わっている。企業が学校をつくる根本的な意義は、ここにあるのです。

「自分たちがつくる学校が、若者を救い、業界を救い、さらには日本を救う!」

このような使命感のもと、クライアント企業との学校構想の実現に向けて動き出しました。

 

それからは一気に話が進み、以下のような方針を打ち出し、現在、具体的な学校形態の検討を進めています。

 

  • 現実の圧力の中で学ぶ : 企業での仕事を中心にした学校
  • 集団で取り組む    : グループで取りくみ、チームワークを学ぶ
  • 主体性をはぐくむ   : 遊びの延長としての仕事を学ぶ
  • 人間力の基礎を育む  : どこでもやっていける人間力を身につけさせる

 

実はこのように、企業が母体となって学校を設立するという動きは、近年多くみられます。例えば、角川ドワンゴによる「N高等学校」、日本電産永森会長による「京都先端科学大学」、海外では、ダイソンによる「ダイソン工科大学」や、協同企業群による「Design Tech School」など。

世の中が大きく変化する中、「想像力」や「追求力」、その根底となる主体性といった「人間力」の育成を、既存の学校に期待するのは難しく、企業として勝ち残るには「自前で行う必要がある」という認識があるのだと思います。

今後、企業間競争はますます激しくなり、自前で人材育成を行うために「学校」をつくるという動きは加速していくと想定されます。

設計事務所は相手組織を勝たせるのが使命。建物の設計という枠を超え、相手組織、さらに社会の期待にトコトン応えていきます。