もっと仕事は楽しめる!! 今回は・・・”雨”!
2018.2.20
■「理屈“は”分かったけど…」
こんにちは!設計室4年目の菅原です。
いま私は中高一貫校の設計を担当しているのですが、その仕事の一つとして“外構”の設計をしています。今回はそこで改めて仕事の面白さについて紹介しようと思います。
(建築設計の仕事って建物だけじゃないんです!私も社会人になって初めて知りました笑)
「そもそも外構の設計って何?」といいますと植栽計画や舗装の設計など色々ありますが、今回私が担当したのは“雨水排水の設計”です。
相手は自然。雨が降ってもキチンと水が流れて安全で使いやすい学校を適切なコストで実現するには「雨水排水の原理」を掴んで自然に流すことが重要になってきます。
でも原理は一朝一夕では到底つかめません。
「まず先人の知恵を借りよう!」と技術的な本、WEBで調べてみたり、社内板という弊社の情報共有イントラネットを一通り読み漁ったり、詳しい人に聞きまくりました。
終わって感じたのは 「理屈“は”分かったけど…」 と言う感覚。
雨水排水の原理が計算式として頭に入っただけで、数字の意味が捉えられずリアルにイメージしづらい。観念的でどこか気持ち悪くてモヤモヤした感覚です。
そんな時、ふと外を見ると雨。
たまたま結構な雨が降ったおかげで外は運よく生々しい“教材”だらけ。
とりあえずいつも使っているコンベックスをポケットに入れて外に出ることにしました。
(いつも使っている調査セット。コンベックスは左から2番目)
■雨って面白い!!
外に出て雨を眺めると数式の意味が一気に繋がっていく感覚がして、頭のモヤモヤが一気に晴れました!
雨を見てるだけで面白い!!!
1番気づきだな、感じたのは、水は“低いほう”にしか流れないという至極当たり前の事実。めちゃくちゃ当たり前かもしれませんが、ちょっとでも低いとそっちに水は流れます。
街中を観察してみると水が溜まるところ、勢いよく流れるところ、溢れているところ。色々な場所が実はほんの0.数%の勾配の差異で変わるという“現実”を目の当たりにして、設計をもっと良くしたいという気持ちが沸いてきて数値をもう一度見直したくなりました。
事務所に帰り、資料を見ると「勾配緩すぎ!キツすぎ!ココ想定と逆に流れそう!流量流速をもっと確保したほうが良い!」などなど気になる数値が一目で浮かび上がってきて、改良ポイントがざくざく発見できました。
無事スッキリして設計完了!悩んでたのが嘘みたいに一瞬でうまくいきました。
■楽しんだもん勝ち!
建築は外に出れば実は教材だらけで、どこでも学べます。
ただ「毎日気付きだらけ!超楽しい!」
かといわれると怪しいです笑
実際、まじまじと水の流れや地面をみてこんなにワクワクしたのは今回が初めてです。
能力獲得において“見る”と“観る”は大きな差があるのを身をもって知りました。
その二つの“みる”の差を何か、といえばやっぱり「自らやりたい気持ち=内発的な欠乏」が生まれているかどうか。
今回は「良い建物を実現するために雨水排水の原理を掴みたい」という気持ちがそれで、その思いが切実であればあるほど強烈に能力獲得において差が現れるのだと思います。
内発的な欠乏があればワクワクが止まらない。だから心底楽しめるし、能力もどこまでも伸びていくし、最後の最後まで妥協せずに良いものを追求できるのだと実感できました。
子どものとき、無意味に見えた教科書も世の中と繋がっていることが実感できた瞬間に面白く見えるのと一緒で、大人も日常の世界の面白さに気付けるかで仕事はもっと楽しくなる。
日常はもっと楽しめる!楽しんだもん勝ち!
皆さんも、もし仕事で迷ったら “日常を楽しむ心”を思い出して、日々楽しくも本気で追求してみてはどうでしょうか?
(意匠設計 4年目 菅原 雅之)